『民話の森叢書4 韓国民話の不思議な世界 ~鬼神・トッケビ・妖怪変化 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
民話の森叢書4 韓国民話の不思議な世界 |
サブタイトル |
鬼神・トッケビ・妖怪変化 |
著者 [著者区分] | ■崔仁鶴 [著・文・その他] ■樋口淳 [著・文・その他] ■鄭裕江 [翻訳]
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出版社 |
民話の森 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2200円 |
シリーズ |
民話の森叢書 |
ページ数 |
300p
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Cコード |
0098 |
発売予定日 |
2023-06-30 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学、その他 |
ISBN |
9784910603193 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
韓国民話の不思議な世界を自在に飛び回る鬼神、トッケビ、そして龍、大蛇、狐、ニワトリ、ムカデ、カニの化け物たち。圧倒的な破壊力を発揮する人食い虎の物語。 1970年代のセマウル運動(新しい村運動)によって電気が引かれる以前の韓国農村は、昼と夜がはっきりと区別され、夜は漆黒の闇のなかに鬼神やトッケビが出没する恐ろしい時間だった。 鬼神は、不遇の死をとげたために祖先祭祀を受けることができず、恨みを残したままこの世を彷徨う魂であり、トッケビは、使い古しの箒等の道具が遺棄されて変化し、峠などに出没する妖怪である。 トッケビは、悪戯者だが特定の人に祟ることはない。これに対して鬼神は子孫や知人に祟り、病や不幸をもたらすので、ムーダン(巫堂)という職業的なシャマンに依頼してその魂を鎮める必要が生ずる。現在でも、ソウルの街を歩くと時々ムーダンの住まいを知らせる旗に出会う。 こうした鬼神やトッケビのほかに人を脅かすのが、龍、大蛇、狐、鶏、ムカデ、カニの化け物たちである。 本書では、韓国の闇に飛び交う多様な妖怪たちの世界を、昔話の語り手たちともに探る。
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目次 |
口絵 異界の声を聞く はじめに Ⅰ 鬼神 1. 鬼神を使う鼻荊郎(一念『三国遺事』・KT750.3)) 2. 疫病神の取りついた家(成俔『傭斎叢話』) 3. 鬼神の家(KT255) 4. 鬼神が哭泣するという言葉の由来(KT341) 5. 小さな怪物(KT344) 6. 針の穴から抜け出した鬼神 (KT371) 7. 鬼神も忙しい時がある(KT377 ) 8. 密陽の阿娘閣(KT334.1) 9. 処女は平土葬(KT335) 10. 怨霊どうしの争い(KT339)
Ⅱ トッケビ 1.青トッケビ(KT104) 2. ホランガムテ(KT262) 3. 金の砧と銀の砧(KT460) 4. 瘤取り爺さん(KT476) 5. トッケビの話を盗み聞きする(KT479) 6. 雌雄のトッケビ(KT537) 7. トッケビと相撲をとる(KT750) 8. 漁師とトッケビ(KT750.2) 8-1.トッケビと餅(ムック) 8-2.カニとトッケビ 8-3. トッケビを祀る 9. トッケビが築いた堰(KT750.3) 10. 美女に化けるトッケビ(KT750) 11. 賢い金持ちと愚かなトッケビ(KT750)
Ⅲ 蛇・青大将(クロンギ)・龍・イムギ 1.夜来者-夜訪れる若者―(KT201) 2. 青大将(クロンギ)の新郎(KT200) 3. 美女に変化する青大将(KT105) 4. 笙(洞簫)を吹くソンビ(KT207) 5. 青大将と如意珠(KT259) 6. イムギと夜光珠(KT260) 7. 四兄弟の才能(KT469) 8. 百日紅(サルスベリ)の由来(KT78)
Ⅳ 狐・白狐・九尾の狐 1. 妹は白狐(KT101) 2. 旅人と狐(KT103) 3. 九尾狐の変身(KT133) 4. 朴御使と九尾狐(KT134) 5. 人を食う老狐 (KT136) 6. 狐に騙された農夫(KT142) 7. 姜邯賛説話(KT208) 8. 中国の狐皇后(KT278) 9. 僧を殺した狐(KT292) 10.金剛山の狐と栗谷(ユルゴック・李珥)(KT307)
Ⅴ ムカデ・ヒキガエル・ネズミ・ネコ・ニワトリ 1. 大むかで退治(KT117) 2. ムカデと青大将(クロンギ)の対決(KT130) 3. 黄ムカデと口をきく錠(KT279) 4. 熊と猪のカニ退治(KT143) 5. ロバと犬とニワトリの鬼神(KT144) 6. 追い出された主人(KT131) 7. 末娘とネズミの夫(KT204) 8. 山猫の変身(KT140) 9. 猫の報恩 ―頭巾をかぶった猫― (KT127)
Ⅵ 虎 1. 猟師の息子の仇討(KT289) 2. 九代続く独子の冒険(KT415) 3. 巫女虎 (KT114) 4. 日と月になった兄と妹(KT100) 5. 虎より怖い串柿(KT50) 6. 虎の報恩 -明堂教示型- (KT122) 7.虎の報恩 -金現虎願型- (KT122) 8. 仁旺山の虎 (KT378)
あとがき 主要参考文献 |
著者略歴(崔仁鶴) |
1934年慶尚北道金泉市生まれ、幼い頃から昔話を聞いて育った。明知大学卒業後、慶煕大学碩士過程を経て、東京教育大学に留学。1974年に『韓国昔話百選』(日本放送出版協会)を刊行。1975年に文学博士号を授与され、1976年にその成果を『韓国昔話の研究』(弘文堂)として公表。帰国後は仁荷大学で教鞭をとるかたわら、1983年に比較民俗学会を設立、東アジアの学術交流に努める。『朝鮮伝説集』(日本放送出版協会・1977)、『韓国の昔話』(三弥井書店・1982)、『韓日昔話の比較研究』(弘文堂・1995)など多著書多数。特に“A Type Index of Korean Folktales”(明知大学出版部・1979)は昔話の国際比較研究には欠くことができない。 |
著者略歴(樋口淳) |
1946年山梨県甲府市に生まれる。1968年東京教育大学卒業後、ベルギー政府給費留学生としてルーヴァン大学に学び、1975年に帰国し専修大学に勤務。専修大学名誉教授。 著書に『民話の森の歩きかた』(春風社・2011)、『妖怪・神・異郷』(悠書館・2015)、翻訳にロジャー・ジャネリ著『祖先祭祀と韓国社会』(第一書房・1993)などがある。 |
著者略歴(鄭裕江) |
1971年鳥取県倉吉市に生まれる。翻訳家。 翻訳に、崔仁鶴・厳鎔姫編『韓国昔話集成・全八巻』(悠書館2013-2020)、孫晋泰著『朝鮮民族説話の研究』(風響社・2023)などがある。 |